FreeCAD × 基本操作 | #01 最初のスケッチ

前回はFreeCADをインストールして、画面の見方を覚えました。今回はいよいよ手を動かします。3Dの立体を作るとき、そのいちばん最初の一歩になるのが「スケッチ」です。この記事では、スケッチの始め方から、線・四角形・円の描き方、間違えたときの消し方、そして寸法でサイズをきっちり決めるところまで、スケッチの基本をひととおり、クリックの順番ひとつずつていねいに解説します。マウスでクリックするだけなので、はじめての方でも大丈夫です。

スケッチって何?

FreeCADでは、いきなり立体を作るのではなく、まず平らな面の上に2Dの絵(=スケッチ)を描きます。そして、その絵を「押し出す」ことで立体になります。いわばスケッチは3Dの「下絵」です。下絵が正確なら、できあがる立体も正確になります。だからこそ、最初のスケッチがとても大切なのです。

スケッチ(2Dの下絵)を押し出すと立体になる
スケッチ(2Dの下絵)を押し出すと立体になる

スケッチを始める

スケッチを描き始めるまでの準備を、3ステップで見ていきましょう。画面で確認しながら進めれば、迷いません。

手順1:ワークベンチを Sketcher に

画面上のワークベンチ(道具箱)切り替えメニューで、「Sketcher」を選びます。これでスケッチ用の道具がそろいます。

ワークベンチを「Sketcher」に切り替える
ワークベンチを「Sketcher」に切り替える

手順2:「スケッチを作成」ボタンを押す

ツールバーのいちばん左にある「スケッチを作成」ボタンを押します。これがスケッチの入口です。

ツールバー左端の「スケッチを作成」ボタンを押す
ツールバー左端の「スケッチを作成」ボタンを押す

手順3:描く面(XY平面)を選ぶ

ボタンを押すと、「方向を選択」という小さな画面が出て、どの面に描くかを聞かれます。ここでは「XY平面」(真上から見た床のような面)を選んで、OKを押しましょう。

描く面を選ぶ。まずは「XY平面」でOK
描く面を選ぶ。まずは「XY平面」でOK

OKを押すと、画面が真上からの視点に切り替わり、赤い線(X軸)と緑の線(Y軸)が十字に表示されます。これでスケッチを描く準備が整いました。

まずは「線」を1本描いてみよう

スケッチが始まると、ツールバーに作図の道具がずらりと並びます。最初に使うのは①「線」と、その右どなりにある②「長方形」です。下の画像で場所を確認してください。

左が「線」、その右が「長方形」
左が「線」、その右が「長方形」

まずは①「線」ボタンを押します。そのあとは、画面の中で2回クリックするだけです。

  • 1回目のクリック:線の始点(描きはじめの点)を決めます。
  • 2回目のクリック:線の終点(描きおわりの点)を決めます。
線ツール:始点→終点と2回クリックで1本の線が引ける
線ツール:始点→終点と2回クリックで1本の線が引ける

線ツールは続けて次の線を描けるようになっています。1本だけでやめたいときは、キーボードのEscキーを押すか、右クリックで終了します。

間違えたら消す・やり直す

作図をしていると、線を引く場所を間違えることもあります。でも大丈夫。FreeCADではいつでも簡単にやり直せるので、どんどん手を動かして練習しましょう。覚えるのは次の4つだけです。

  • ① 図形をクリックして選択します(選んだ線は色が変わります)。
  • ② Deleteキーを押すと、その図形が消えます。
  • ③ Ctrl + Zで、直前の操作を1つ取り消せます(やりすぎたら Ctrl + Y でやり直し)。
  • ④ Escキーは「ツールをやめる」万能ボタン。動きがおかしいと思ったら、まずEsc。
間違えたら:クリックで選択→Delete、または Ctrl+Z で取り消し
間違えたら:クリックで選択→Delete、または Ctrl+Z で取り消し

四角形を描いてみよう

線が引けたら、次は四角形です。四角形は線を4本ずつ引かなくても、専用の「長方形」ツールで一発で描けます。先ほどの画像の②「長方形」ボタンを押してください。クリックは2回だけです。

  • 1回目のクリック:四角形の1つ目の角を決めます。
  • 2回目のクリック:その対角(斜め向かい)の角を決めます。
長方形ツール:対角の2点をクリックするだけ
長方形ツール:対角の2点をクリックするだけ

2点をクリックすると、4本の辺が自動でつながった四角形ができあがります。形を作るときは、この長方形ツールが主役になります。

円を描いてみよう

次は円です。円も専用ツールで簡単に描けます。作図ツールの並びにある「円」ボタン(中心と半径で描くタイプ)を押します。アイコンは○の形をしています。

作図ツールの並びにある「円」ボタンを押す
作図ツールの並びにある「円」ボタンを押す

円も、クリックは2回だけ。線や四角形と同じ感覚です。

  • 1回目のクリック:円の中心を決めます。
  • 2回目のクリック:中心から外側をクリックすると、その距離が半径になります。
円ツール:中心→外側と2回クリックで円が描ける
円ツール:中心→外側と2回クリックで円が描ける

これで円が描けました。穴・ボタン・丸い部品など、円は3D設計でとてもよく使う形です。ここまでで線・四角形・円の3つが描けるようになりました。

寸法を入れてサイズを決める

ここで、描いたばかりの図形をよく見ると白い色になっています。白い線はマウスでドラッグすると、ぐにゃぐにゃ自由に動いてしまいます。これは「まだ大きさ(寸法)が決まっていない」状態です。設計では「横40mm・縦25mm」のようにきっちりサイズを決めたいので、「寸法」を使います。

使うのは、ツールバーの「寸法」ボタンです。

寸法ツール:辺や点を選んでから押す
寸法ツール:辺や点を選んでから押す

寸法の入れ方は次の3ステップです。

  • ① サイズを決めたい辺をクリックして選びます。
  • ② 「寸法」ボタンを押すと、長さを入れる小さな画面が出ます。
  • ③ 数値(例:40)を入力してOKを押します。
辺を選んで寸法ツール→数値を入力。サイズがきっちり決まる
辺を選んで寸法ツール→数値を入力。サイズがきっちり決まる

横40mm・縦25mmのように数値を入れると、図形がその大きさにピタッと固定されます。もう手で動かしてもズレません。これで、設計したとおりの正確なサイズになります。

白い線・緑の線(次回は完全拘束)

寸法を入れていくと、白かった線が少しずつ緑色に変わっていきます。緑は「完全に決まった(=完全拘束)」というサインです。

白い線は寸法がまだ無い状態。寸法を入れると緑に近づく
白い線は寸法がまだ無い状態。寸法を入れると緑に近づく

位置とサイズがすべて決まると、スケッチ全体が緑になり「Fully constrained(完全拘束)」と表示されます。ここがFreeCADで最初につまずきやすい山場なので、次回 #02 でじっくり解説します。

まとめ

  • スケッチは立体の下絵。Sketcherワークベンチで「スケッチを作成」→面(XY平面)を選んで始める。
  • =始点→終点、四角形=対角2点、=中心→外側。どれも2クリック。
  • 間違えたら、選択してDeleteCtrl+Zで取り消し/Escでツール終了。
  • 寸法ツールで辺を選んで数値を入れると、サイズがきっちり決まる。
  • 白い線は未確定、緑は完全に決まった状態

次回 #02「寸法と完全拘束」では、寸法と拘束をくわしく扱い、スケッチ全体を緑(完全拘束)にする方法を解説します。ここを越えると、設計がぐっと安定します。

【応用のヒント】① 円は「3点を通る円」でも描けます(丸い部品の位置合わせに便利)。② 入れた寸法の数値は、あとからダブルクリックで変更できます。③ 図形を複数まとめて選ぶときは、Ctrlキーを押しながらクリックします。

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