電卓でできる計算はすべてPythonでもできます。さらに、変数と組み合わせれば「合計を出す・平均を求める・お釣りを計算する」といった実用的な処理が数行で書けるようになります。
この記事では、PycoBlocksの計算ブロックを使いながら算術演算子の基本を学び、変数と組み合わせた計算を実際に動かします。

まずはPycoBlocksを開こう
下のPycoBlocksで直接作業するか、別タブで開き、生成されるPythonコードを見ながら進めてください。
Pythonで使える算術演算子
Pythonには以下の算術演算子が用意されています。PycoBlocksの「計算」カテゴリに対応するブロックがすべてそろっています。
| 演算子 | 意味 | 例 | 結果 |
|---|---|---|---|
+ |
足し算 | 10 + 3 |
13 |
- |
引き算 | 10 - 3 |
7 |
* |
掛け算 | 10 * 3 |
30 |
/ |
割り算(小数あり) | 10 / 3 |
3.333... |
// |
整数の割り算(切り捨て) | 10 // 3 |
3 |
% |
余り | 10 % 3 |
1 |
** |
べき乗 | 2 ** 8 |
256 |
ステップ1:四則演算を試してみよう
まずは足し算から試してみましょう。PycoBlocksの「計算」カテゴリにある演算ブロックを「表示」ブロックにはめ込むと、計算結果をそのまま出力できます。
- 「計算」カテゴリから足し算ブロックを取り出す
- 数値を
10と3にする - 「表示」ブロックにはめて実行する

print(10 + 3)
print(10 - 3)
print(10 * 3)
print(10 / 3)
実行すると 13, 7, 30, 3.3333333333333335 と出るはずです。割り算だけ小数になることに注目してください。
ステップ2:整数割り算と余りを使ってみよう
//(整数割り算)と %(余り)は少し馴染みが薄いかもしれません。でも、「10個のお菓子を3人で分けると1人何個もらえて、何個余るか?」という問いにぴったり使えます。

total = 10
people = 3
print("1人分:", total // people)
print("余り:", total % people)
ステップ3:変数と計算を組み合わせよう
変数に値を入れてから計算すると、数値を1か所変えるだけでプログラム全体が変わります。これが「変数を使う意味」のひとつです。
たとえば、テスト3回分の点数の合計と平均を出す場合を考えてみましょう。
score1 = 85
score2 = 72
score3 = 90
total = score1 + score2 + score3
average = total / 3
print("合計:", total)
print("平均:", average)

点数を変えたいときは score1 = 85 の数値を書き換えるだけで、合計・平均が自動的に変わります。
コーディングモードで書いてみよう
コーディングモードでは、演算の順序(優先順位)に気をつける必要があります。数学と同じルールで * と / は + と - より先に計算されます。カッコ () で順序を明示するとミスが減ります。
# カッコなし:* が先に計算される
print(2 + 3 * 4) # → 14
# カッコあり:+ を先に計算させる
print((2 + 3) * 4) # → 20
# 平均を正しく計算する例
score1 = 85
score2 = 72
score3 = 90
average = (score1 + score2 + score3) / 3
print("平均:", average)
演習課題
課題3-1:電卓を作ろう
2つの数 a = 15、b = 4 を使って、足し算・引き算・掛け算・割り算の結果を4行で表示してください。
▶ 模範解答と解説を見る
ブロックの組み合わせ例:

a = 15
b = 4
print("足し算:", a + b)
print("引き算:", a - b)
print("掛け算:", a * b)
print("割り算:", a / b)
解説: 変数に数値を入れておけば、a や b の値を変えるだけで全4行の結果が一度に変わります。
課題3-2:お釣りを計算しよう
商品の値段 price = 380、支払い金額 paid = 1000 として、お釣りを計算して表示してください。さらに、お釣りを500円玉・100円玉・10円玉の枚数に分解して表示しましょう(// と % を使います)。
▶ 模範解答と解説を見る
ブロックの組み合わせ例:

price = 380
paid = 1000
change = paid - price
print("お釣り:", change)
print("500円玉:", change // 500, "枚")
change = change % 500
print("100円玉:", change // 100, "枚")
change = change % 100
print("10円玉:", change // 10, "枚")
解説: // で「何枚取れるか」を出し、% で「残り何円か」を更新していきます。ATMやレジの内部処理に近い考え方です。
課題3-3:BMIを計算しよう
身長 height = 1.70(メートル)、体重 weight = 65(kg)として、BMI(体格指数)を計算して表示してください。BMIの計算式は weight / (height ** 2) です。
▶ 模範解答と解説を見る
ブロックの組み合わせ例:

height = 1.70
weight = 65
bmi = weight / (height ** 2)
print("BMI:", bmi)
解説: **(べき乗)を使うと height * height と書かずにすっきり表現できます。カッコで height ** 2 を先に計算してから割り算するのがポイントです。
課題3-4:5教科の平均点を計算しよう
国語・数学・英語・理科・社会の点数(例:85, 72, 90, 68, 78)を変数に入れ、合計と平均を計算して表示してください。平均は小数第1位まで表示しましょう。
▶ 模範解答と解説を見る
ブロックの組み合わせ例:

kokugo = 85
math = 72
english = 90
rika = 68
shakai = 78
total = kokugo + math + english + rika + shakai
average = total / 5
print(f"合計: {total}点")
print(f"平均: {average:.1f}点")
解説: 変数名を教科名にすると、あとでどの点数かわかりやすくなります。平均を求めるには合計を科目数で割るだけですが、:.1f で小数第1位まで表示すると見やすくなります。
課題3-5:整数除算と浮動小数点の違いを観察しよう
次のコードを実行して、出力の違いを確認してください。7 / 2 と 7 // 2 の結果、そして 0.1 + 0.2 が 0.3 にならない理由を考えてみましょう。
▶ 模範解答と解説を見る
ブロックの組み合わせ例:

print(7 / 2) # → 3.5(浮動小数点除算)
print(7 // 2) # → 3(整数除算:切り捨て)
print(7 % 2) # → 1(余り)
print(0.1 + 0.2) # → 0.30000000000000004(2進数の誤差)
解説: / は常に浮動小数点数(小数)を返し、// は切り捨てた整数を返します。0.1 + 0.2 ≠ 0.3 はコンピュータが2進数で小数を表現するときに生じる誤差です。金額計算など精度が重要な場面では decimal モジュールを使います(発展)。
まとめ
+-*/の四則演算に加え、//(整数割り算)・%(余り)・**(べき乗)が使えます- 変数と演算を組み合わせると、数値を1か所変えるだけで計算全体が更新されます
- 演算の優先順位は数学と同じ。迷ったらカッコ
()で明示しましょう
次の記事では文字列(テキスト)の操作を学びます。文字列と数値を組み合わせると、出力がぐっと見やすくなります。→ Python × 入門 | #04 文字列を操ろう