前回は開発環境の構築を3通り紹介しました。
今回からいよいよPythonについて勉強してゆきます。
本日はPythonの基本ルールから勉強してゆきます。
コードの実行方法
対話型(インタラクティブ)
Pythonの対話型シェル(REPL: Read-Eval-Print Loop)やJupyter Notebookなどを使って、リアルタイムでコードを実行できる方法です。
Pythonをインストールした後、ターミナルやコマンドプロンプトでpython
と入力すれば対話型シェルが起動します。
利点
- 即時フィードバック: コードを入力するとすぐに実行され、その結果が即座に表示されます。簡単なコードのテストや学習時に便利です。
- 実験やプロトタイピングに最適: 新しいアイデアやアルゴリズムを素早く試すことができ、手軽にコードの動作を確認できます。
- 手軽なデバッグ: 1行ずつ実行するため、各行の動作を確認しながらデバッグできます。
使い方の例
>>> x = 5
>>> y = 3
>>> x + y
8
上記の例では、Pythonシェルに1行ずつコードを入力し、すぐに結果が返ってきます。
スクリプト型(ファイル型)
Pythonスクリプトをテキストファイルに保存して、そのファイル全体を一度に実行する方法です。
コードは.py
ファイルとして保存され、Pythonインタプリタでそのファイルを実行します。
利点
- 複雑なプログラムに向いている: 大規模なプログラムや後から再利用するコードを保存・管理するのに適しています。
- 再現性が高い: 一度保存したスクリプトを何度でも同じ結果で実行できるため、プロジェクトやツールの作成に便利です。
- 構造化されたコードが書ける: 関数やクラスを使って、読みやすく保守しやすいプログラムを書くことができます。
使い方の例
example.py
というファイルを作成し、以下のコードを保存します。
x = 5
y = 3
print(x + y)
ターミナルでファイルを実行します。
$ python example.py
実行結果として 8
が表示されます。
まとめ
- 対話型は、小規模なコードや学習用に最適で、リアルタイムのフィードバックが得られるため、プロトタイピングに向いています。
- スクリプト型は、大規模なプログラムや再現性が求められるコードに適しており、保存・共有が容易です。
Pythonの文法ルール
Pythonでは、いくつかの基本的な文法ルールがあり、これらを守ることで読みやすくエラーの少ないコードを書くことができます。
特にPythonは可読性を重視しており、改行やインデントが非常に重要な役割を果たしています。
以下では、Pythonの主要な文法ルールについて説明します。
1. 改行
Pythonでは、各命令(ステートメント)は1行ごとに記述します。行末にセミコロン(;
)は不要で、1行が1つの命令として扱われます。
x = 10
y = 20
print(x + y)
ルール: コードが長くなる場合は、バックスラッシュ(\
)を使って次の行に続けることができます。
total = x + y + z + \
a + b + c
2. インデント
Pythonでは、インデントが非常に重要で、コードブロックの開始と終了を示します。
インデント(字下げ)にはスペースやタブが使えますが、一般的にはスペース4つが推奨されます。
インデントを間違えると、プログラムが正しく動作しなかったり、エラーが発生します。
if x > 0:
print("xは正の数です")
else:
print("xは0または負の数です")
ルール: インデントは統一する必要があります。タブとスペースを混ぜて使うとエラーが発生します。
3. 大文字小文字
Pythonでは、大文字と小文字は区別されます。変数名や関数名などはすべてケースセンシティブです。
myVar = 10
MyVar = 20
print(myVar) # 10が表示される
print(MyVar) # 20が表示される
ルール: 大文字小文字の区別を間違えると、名前が異なるものとみなされます。
また、慣習として、変数名は小文字、定数はすべて大文字で書くことが推奨されます。
4. コメント
Pythonでは、プログラムの中に説明やメモを記述するためにコメントを使います。コメントはコードとして実行されず、プログラムの読みやすさを向上させるために使用します。
単一行コメント: #
を使って1行のコメントを記述します。
# これはコメントです
x = 10 # 変数xに10を代入
複数行コメント: 複数行にわたるコメントは、"""
または '''
で囲んで書きます。
(ただし、これは文字列リテラルとしても使われるため、コメントとしての使用は推奨されません)
"""
この部分は複数行のコメント
"""
ルール: コメントは適切な場所に書いて、コードの理解を助けるために使いましょう。
過剰にコメントを書きすぎると逆に読みづらくなることもあるので、簡潔でわかりやすいコメントが望ましいです。
5. print()
関数
print()
は、Pythonでテキストや変数の値を表示するための関数です。
Python 3からは、引数を括弧で囲む必要があります。
x = 10
print(x) # 10が表示される
print("Hello, world!") # Hello, world!が表示される
ルール: 複数の値を表示したい場合は、print()
内にカンマで区切って記述します。
print("xの値は", x)
まとめ
- 改行: 各命令は1行ごとに記述し、長いコードは
\
で改行可能。 - インデント: インデントは必須で、コードの構造を明示します。通常はスペース4つを使います。
print()
関数: テキストや変数を表示するための関数。Python 3では必ず括弧が必要です。- 大文字小文字: 変数や関数名は大文字と小文字を区別するため、注意が必要です。
- コメント:
#
を使ってコメントを挿入し、コードの説明や補足情報を記述できます。
これらの基本ルールを守ることで、Pythonのコードは可読性が高く、エラーを少なく保つことができます。
課題
次の指示に従って、プログラムを作成してください。
- 変数
height
に自分の身長を代入します。 - 変数
weight
に自分の体重を代入します。 - これらの変数を使ってBMI(体重 / 身長^2)を計算し、その結果を
print()
関数で表示してください。 - 適切な場所にコメントを追加し、コードの意図や計算方法を説明してください。
答えはこちらをクリック
# 変数 height に自分の身長(メートル)を代入
height = 1.75 # 例: 1.75メートル
# 変数 weight に自分の体重(キログラム)を代入
weight = 68 # 例: 68キログラム
# BMIを計算する。BMI = 体重 / (身長 * 身長)
bmi = weight / (height ** 2)
# 計算結果を表示する
print("あなたのBMIは:", bmi)
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