マルチプレクサ(Multiplexer)とデマルチプレクサ(Demultiplexer)は、デジタル回路設計や通信システムで重要な役割を果たす装置です。これらの概念を理解するために、それぞれの機能と使用例について説明します。
下の図はマルチプレクサとデマルチプレクサの役割を示した図です。
マルチプレクサは複数の入力チャンネルのうちから1つを選択し入力する回路で、セレクタに入力される値からどの入力を受け付けるか選択します。デマルチプレクサは1つの入力からどのチャンネルに値路出力するか決定する回路です。イネーブル端子によって、結果を出力するか、しないかの切り替えを行います。
処理回路に対して入力と出力を切り替えできるように設計することでハードウェアの数を節約し、多くの入出力に対し、様々な計算を行うことが出来るようになります。
マルチプレクサ(Multiplexer)
マルチプレクサは、複数の入力信号から一つを選択して、単一の出力ラインに送信するデバイスです。これは、一種の「電子スイッチ」として機能し、特定の時点でどの入力を出力に送るかを制御します。
動作原理
- 入力信号: マルチプレクサは、多数の入力ラインを持ちます。
- 制御信号: どの入力ラインを出力に送るかを決めるための信号です。
- 出力信号: 選択された入力ラインからのデータが出力されます。
1ビット4チャンネルのマルチプレクサ
1ビット4チャンネルのマルチプレクサについて考えてみます。この種のマルチプレクサは、4つの1ビット入力信号を受け取り、それらの中から1つを選択して単一の出力ラインに送信するデバイスです。
基本構造と動作原理
- 入力信号: 4つの入力チャンネルがあり、それぞれが1ビットのデータ(0または1)を持っています。
- 出力信号: 単一の出力ラインがあり、選択された入力チャンネルからの1ビットデータを出力します。
- 制御信号: このマルチプレクサは2ビットの制御信号を使用します。これは、4つの入力チャンネルのうちどれを出力に選択するかを決定するために用いられます(00、01、10、11の4つの組み合わせが可能です)。
1ビット4チャンネルのマルチプレクサは、基本的には4つの入力ラインから1つの出力ラインへのデータのルーティングを可能にします。制御信号は、これらの入力ラインの中からどれを選択するかを決定します。
この種のマルチプレクサの主な利点は、複数のデータソースからの信号を一つの伝送路や処理ユニットに集約できることです。これにより、配線の複雑さが減少し、システムの効率が向上します。
真理値表と回路構成
真理値表は以下の通りです。
S0とS1の状態によって受け取るデータのチャンネルを選択します。
選択されたチャンネルのデータをそのままYに出力しています。
EIが1だった場合はすべての出力を0にすることで、データのON,OFFを制御しています。
回路構成は以下の通りになります。
デマルチプレクサ(Demultiplexer)
デマルチプレクサはマルチプレクサの逆の機能を持ち、単一の入力信号を複数の出力ラインのうちの一つに分配します。これにより、一つの信号源からのデータを複数の異なる目的地に送ることができます。
動作原理
- 入力信号: デマルチプレクサには、一つの入力ラインがあります。
- 制御信号: どの出力ラインに入力データを送るかを決めるための信号です。
- 出力信号: 入力データは、選択された出力ラインに分配されます。
1ビット4チャンネルのデマルチプレクサ
真理値表は以下の通りです。S0、S1によって出力する先のチャンネルを選択し、EIの状態によって出力するかしないかを決定します。
選択されたチャンネルに対し、Yにあった入力をそのままパスするようになっています。
回路図は以下の通りになります。
課題
2ビット4チャンネルのマルチプレクサあるいは2ビット4チャンネルのデマルチプレクサを設計してください。
真理値表及び回路図はdraw.ioで作図し、作図したファイルをレポート用紙に張り付けてを提出してください。
提出先及び〆切は別途指定します。