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前回はこちらです
1 この章の目的
この章では、PoliviaBot UMEの LED1(GP11)・LED2(GP12) を使って、
Pythonの基本構文(while文・for文)とデジタル出力の仕組みを学びます。
学習の流れは次の通りです。
- LED回路の仕組みを理解する
- Pythonでピンを操作する
- while文で「ずっと繰り返す」
- for文で「回数を決めて繰り返す」
2 本章で使うピン
- LED1:GP11
- LED2:GP12

3 LED回路の基本
LEDは電気を流すと光る部品ですが、流しすぎると壊れます。
そのため、必ず電流制限抵抗を入れます。
GP11 / GP12 ──[ 抵抗 ]──▶|── GND
LED各部品の役割
- GPIOピン:電圧を出す(HIGH/LOW)
- 抵抗:電流を制限する(例:330Ω~1kΩ)
- LED:電気を光に変える
- GND:電気の戻り道
動作の対応関係
| ピン出力 | 電圧 | LED |
|---|---|---|
| LOW | 約0V | 消灯 |
| HIGH | 約3.3V | 点灯 |
4 Python言語とは
Pythonは、人が読みやすく、書きやすいことを重視したプログラミング言語です。
特徴は次の3つです。
① 英語に近い書き方
たとえば、
print("Hello")は、「Helloと表示しなさい」という意味になります。
命令がそのまま文章のように読めるのがPythonの強みです。
② インデント(字下げ)がルールになる
Pythonでは、字下げ(スペース)で処理のまとまりを表現します。
これにより、プログラムの流れが目で見てわかりやすくなります。
③ すぐに試せる
Pico Wでは、コードを書いてすぐ実行し、すぐ結果が見られます。
この「試す → 直す → 試す」の繰り返しが、学習を速くします。
Raspberry Pi Pico Wでは、MicroPythonという特別なPythonが動いています。
MicroPythonは、Pythonの文法で、マイコンのピンやハードウェアを直接操作できる
という特徴を持っています。
つまり、
- Pythonの1行
→ マイコンの内部処理
→ GPIOピンの電圧が変わる
→ LEDが光る
という流れが起きています。
5 はじめてのPythonコード
まずは、プログラムの基本構造を体験します。
Thonnyのシェルやエディタに、次の1行を書いて実行してください。
print("PoliviaBot LED Test")画面に文字が表示されれば、
Pythonの命令が実行されたことになります。
ピンを「使える状態」にする
マイコンのピンは、最初は「ただの端子」です。
Pythonから使うには、「このピンは出力です」と教える必要があります。
from machine import Pinこの1行は、ピンを操作するための道具を使えるようにするという意味です。
次に、ピンを「出力として使う」と登録します。
LED1 = Pin(11, Pin.OUT)この1行の意味
Pin(11, Pin.OUT)
→ GP11を「出力ピン」として設定LED1 =
→ このピンに「LED1」という名前をつける
LEDを点ける・消す
LED1.value(1) # HIGH:点灯
LED1.value(0) # LOW:消灯ここで重要なのは、
数字の1と0が、電圧のON/OFFに変わっているという点です。
最終的にLEDを点灯する場合は以下のようなプログラムになります。
from machine import Pin
LED1 = Pin(11, Pin.OUT) # GP11を「出力」として使う
LED1.value(1) # HIGH = 点灯1行ずつ意味を確認
LED1 = Pin(11, Pin.OUT)
→ GP11を「LED1」という名前で、出力ピンとして登録LED1.value(1)
→ 電圧をHIGH(約3.3V)にする
消してみる
最後の行を以下のように変更して下さい。
LEDが消灯します。
LED1.value(0) # LOW = 消灯6 繰り返し(while文)とインデントの意味
ここまでのプログラムは、上から下へ1回だけ実行されて終わります。
しかし、ロボットは「ずっと動き続ける」必要があります。
そのために使うのが、**while文(繰り返し命令)**です。
① while文の基本形
while 条件:
繰り返したい処理
繰り返したい処理この意味は、
条件が「正しい間」、中の処理を何度も実行し続けるということです。
② while True の意味
次のように書くと
while True:True は「正しい」という意味なので、
この条件はずっと正しいままになります。
つまり、この中の処理は、止めるまでずっと繰り返される
という意味になります。
ロボットのプログラムでは、ほとんどの場合この形を使います。
③ インデント(字下げ)は「かたまり」を表す
Pythonでは、スペース(字下げ)そのものが意味を持ちます。
次の2つを見比べてください。
正しい例
while True:
LED1.value(1)
time.sleep(1)
LED1.value(0)
time.sleep(1)間違った例
while True:
LED1.value(1)
time.sleep(1)
LED1.value(0)
time.sleep(1)④ なぜ字下げが必要なのか
while True: の下に字下げされた行だけが、繰り返される処理になります。
つまり、
while True:
A
B
Cこの場合、
- AとB → 何度も繰り返される
- C → 1回だけ実行される
という意味になります。
⑤ スペースはいくつ入れるのか
一般的には、スペース4つを使います。
Thonnyでは、Enterキーを押すと自動で4つ入るようになっています。
タブキーは使わず、スペースでそろえるのが安全です
⑥ 実際のLEDプログラムで確認
from machine import Pin
import time
LED1 = Pin(11, Pin.OUT)
while True:
LED1.value(1)
time.sleep(1)
LED1.value(0)
time.sleep(1)行ごとの意味
while True:
→ ここから下を、ずっと繰り返す- 字下げされた4行
→ LEDをつける → 待つ → 消す → 待つ
これを何度も実行する
もし、字下げがずれていると、次のようなエラーが出ます。
IndentationError: unexpected indentこれは、
スペースの数がそろっていません
という意味です。
7 for文 ― 回数を決めて繰り返す
for文は、決められた回数だけ繰り返す
ための命令です。
基本形
for 変数 in range(回数):
繰り返す処理例
for i in range(5):
print(i)これは、
0, 1, 2, 3, 4
と5回表示されます。
for文でLEDを5回だけ点滅させる
from machine import Pin
import time
LED1 = Pin(11, Pin.OUT)
for i in range(5):
LED1.value(1)
time.sleep(0.5)
LED1.value(0)
time.sleep(0.5)意味
range(5)→ 5回繰り返す- i → 今が何回目かを記録する変数
課題1:ゆっくり点滅
LED1(GP11)を
2秒ON → 2秒OFF
で繰り返すプログラムを作ってください。
ヒント
time.sleep(2)を使いますwhile True:の中に処理を書きます
解答例はこちら
from machine import Pin
import time
LED1 = Pin(11, Pin.OUT)
while True:
LED1.value(1)
time.sleep(2)
LED1.value(0)
time.sleep(2)課題2:交互点灯
LED1とLED2を
1秒ごとに交互に点灯させてください。
解答例はこちら
from machine import Pin
import time
LED1 = Pin(11, Pin.OUT)
LED2 = Pin(12, Pin.OUT)
while True:
LED1.value(1)
LED2.value(0)
time.sleep(1)
LED1.value(0)
LED2.value(1)
time.sleep(1)課題3:回数を数えて止める
LED1を
3回だけ点滅して、最後は消えたまま停止
させてください。
解答例はこちら
from machine import Pin
import time
LED1 = Pin(11, Pin.OUT)
for i in range(3):
LED1.value(1)
time.sleep(0.5)
LED1.value(0)
time.sleep(0.5)
# 念のため最後は消灯
LED1.value(0)次回はこちら
