PyPI(Python Package Index)は、Pythonの公式パッケージリポジトリで、Pythonパッケージやモジュールを簡単にインストールできる場所です。
Python開発者は自分の作成したライブラリやツールをPyPIに公開し、他の人もそれを利用できます。
PyPIを利用することで、既に開発された便利なパッケージやライブラリをインターネット経由で簡単にインストールし、自分のプロジェクトに組み込むことができます。
パッケージの管理には、Pythonのパッケージ管理ツールであるpip3を使います。

※ラズベリーパイ5では多くのメジャーモージュールがデフォルトでインストールされています。
外部ライブラリはシステムにあるPythonにはpipコマンドでインストールできなくなりました。
デフォルトの環境を汚さないためにPythonの仮想環境を構築してインストールする方法が推奨されていますので、この記事は仕組みだけ見て読み飛ばしてください。
前回はこちら
pip3 とは
pip3 は、Python 3.x バージョンのためのパッケージ管理ツールです。
pip3 を使うことで、Python 3.x 環境に対して、PyPI(Python Package Index)からパッケージをインストール、更新、アンインストールすることができます。
Python 2.x も同時にインストールされている環境では、Python 2.x 用の pip と区別するために pip3 を使用します。
pip3 を使うことで、Python 3.x 用のパッケージを管理することができます。
pip3 の利用手順
- パッケージの検索:
PyPI公式サイト https://pypi.org/ にアクセスして、利用したいパッケージを検索します。 - パッケージのインストール:
パッケージをインストールするには、コマンドラインでpip3 install パッケージ名を実行します。 - パッケージの使用:
インストール後は、importを使ってプログラム内でそのパッケージを利用できます。
pip3 を使った具体的な例
例: 人気のある外部ライブラリ requests のインストールと使用
requests は、PythonでHTTPリクエストを簡単に送るためのライブラリです。
ステップ1: パッケージのインストール
まず、コマンドラインで次のコマンドを実行して requests パッケージをインストールします。
pip3 install requestsステップ2: パッケージの使用
インストールした requests パッケージを使って、HTTPリクエストを送信するコードを書いてみます。
import requests
# 例として、GoogleのトップページにGETリクエストを送信
response = requests.get('https://www.google.com')
# ステータスコードの表示(200は正常なレスポンス)
print("ステータスコード:", response.status_code)
# ページの内容(HTML)を表示
print("ページの内容:", response.text[:500]) # 500文字だけ表示実行結果:
ステータスコード: 200
ページの内容: <!doctype html><html itemscope="" itemtype="http://schema.org/WebPage" lang="en"><head><meta content="Search the world's information, including webpages, images, videos and more. Google has many special features to help you find exactly what you're looking for." name="description"><meta content="no...解説:
pip3 install requestsによってrequestsパッケージがインストールされます。import requestsでライブラリをインポートし、requests.get()でGoogleのトップページに対してHTTPのGETリクエストを送信します。- サーバーからの応答は
responseに格納され、response.status_codeでステータスコード(200なら正常)を取得し、response.textでページの内容(HTML)を取得しています。
その他の便利なパッケージ例
例: numpy で数学的な計算を行う
numpy は数値計算を効率的に行うためのライブラリです。
配列や行列の操作を高速に行えるため、データサイエンスや機械学習などの分野で広く使われています。
インストール:
pip3 install numpy使用例:
import numpy as np
# 2x2の行列を作成
matrix = np.array([[1, 2], [3, 4]])
# 行列の転置を求める
transpose_matrix = np.transpose(matrix)
# 結果を表示
print("元の行列:\n", matrix)
print("転置行列:\n", transpose_matrix)pip3 に関する基本的なコマンド
- パッケージのインストール:
pip3 install パッケージ名
pip3 install requests- インストール済みパッケージの一覧表示:
pip3 list
pip3 list- パッケージのアンインストール:
pip3 uninstall パッケージ名
pip3 uninstall requests- パッケージの更新:
pip3 install --upgrade パッケージ名
pip3 install --upgrade requests特定のバージョンのパッケージをインストール
特定のバージョンのパッケージをインストールしたい場合、バージョンを指定できます。
pip3 install numpy==1.19.5requirements.txt を使った複数パッケージの一括インストール
プロジェクトで使用するパッケージをまとめて管理するために、requirements.txt ファイルを使って複数のパッケージを一括でインストールすることができます。
requirements.txtを作成し、その中に必要なパッケージとバージョンをリストします。
numpy==1.19.5
requests==2.25.12.このファイルを使って一括インストールするには、次のコマンドを使用します。
pip3 install -r requirements.txt次回はこちら
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